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高度情報化社会とよばれる現代においては、大規模で複雑なシステムをモデル化し、解析、計画、制御し、そして運用するという状況がいたるところに現れます。そこでは、情報、電気、機械、化学など個々の専門知識を身に付けるだけでなく、一見異なるように見える様々な問題に共通する数理的な構造を解明し、さらに問題解決のための数理的な手法を開発することが非常に重要となります。このような観点に立ち、私たち数理工学専攻の8つの研究室では、 数理解析・離散数理・最適化数理・制御システム論・物理統計学・力学系理論・応用数理モデル(連携ユニット)・数理ファイナンス(協力講座) の最先端の研究を進めています。


数理解析分野    - 応用可積分系:可積分系によるアルゴリズム開発

従来からアルゴリズムは主にコンピュータサイエンスの対象でしたが、 1990年代になって様々のアルゴリズムに共通して可積分系の構造が見いだされるようになりました。「応用可積分系」として、可積分系とそのアルゴリズムへの応用、とりわけ、高速高精度な行列特異値分解、可積分系の離散化の手法、直交多項式や特殊関数など可積分系の古典解析学を研究しています。

離散数理分野    - 離散数学の問題の複雑さの解明とアルゴリズムの開発

システムを表現するグラフ・ネットワーク、生産の効率化を計るスケジューリング、大量のデータの論理的解析など、離散数学の話題は応用と密着しています。これらの問題の計算の複雑さの解明と、タブー探索、遺伝アルゴリズム、アニーリング法などのメタ・ヒューリスティクスを含めた、新しいアルゴリズムの開発を目指しています。

最適化数理分野    - 最適化は問題解決のキーワード

現実の様々な問題を解決するための数理的な方法論として非常に重要な役割を果たしている最適化の理論と手法について教育・研究します。特に、数理計画や待ち行列理論などの基礎研究とともに、現実の大規模システム、複雑な非線形システム、不確実性を含むシステムなどに対する新しい数理最適化のアプローチの開発を行ないます。

制御システム論分野    - 制御とモデリングへの数理的アプローチ

発展性と実用性を重視した制御の理論を構築することを目標として、制御システムのモデリング、解析、設計における数理的手法とその応用に関する教育・研究を行います。主なテーマは、ロバスト制御、デスクリプタシステムの最適制御、スペクトル分解、リカッチ方程式、確率実現、システム同定です。さらに化学プロセスを対象としたモデリングと制御に関する企業との共同研究も実施しています。

物理統計学分野    - 多要素結合系におけるダイナミクスの数理と情報処理

多くの要素が強く相互作用することにより生起する複雑多様な現象の数理的、統一的な理解と情報処理への応用を目標とします。例えば、生体高分子の折り畳みや分子モーター・脳を構成するニューロンによる情報処理・熱雑音による拡散や化学反応等に対する多要素強結合系モデルの動的性質を、(非)平衡統計力学、計算機実験、確率過程理論、力学系理論等を用いて解析します。

力学系理論分野    - 力学系を通してシステムを考察する

力学系の数学や微分幾何学を応用して、ダイナミカルシステムの数理物理学的構造を解明します。例えば、力学系の分岐理論や、多体系の微分幾何学的構造、古典力学と量子力学の対応、力学系への変換群の作用などがあげられます。また、工学的応用研究として、非ホロノーム拘束をもつ力学系の制御問題を微分幾何学の概念を利用して解析します。

数理ファイナンス (協力講座)    - 金融市場の数理モデルの構成・解析

金融市場の数理モデルを構成し、その解析を通して金融市場の現象の説明や意思決定のための指標を与えることを試みます。その際重要な武器になるのは、確率微分・積分(方程式)といった確率解析(stochastic calculus; 伊藤解析とも呼ばれる)の諸概念・道具です。

応用数理モデル分野 (連携ユニット)    - 情報システムに知を吹きこむ

情報システムをくらしや産業に役立たせるには,システムが扱う人々の行動やモノの運動特性を数理的にモデル化することが不可欠です.モデルの形は,概念的なものから精緻な数値モデルまで多岐にわたりますが,人間の知識の活用方法(構造化モデリング)や実データの活用方法(多変量解析)など,さまざまなモデル作りの方法論を産業界の実例で研究しています.