ごあいさつ

2016年度数理工学専攻 専攻長 山下信雄


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理工学は、数学、物理、計算機科学を応用して、問題解決を目指す学問分野です。他大学では「数理情報学」、「情報数理科学」と呼ばれていることもあります。数理工学専攻は、その前身である数理工学科が1959年に工学部に設置されて以来、「数理工学」という名前を守り続けています。残念ながら、一般の方にとっては「数理工学」という言葉になじみがなく、受験生、在校生、卒業生は研究分野の説明に苦労することもあるようです。しかし、最近話題の「人工知能」や「自動運転」は、数理工学なくして成り立たないものです。

工知能はこれまでに何度もブームがきており、今回が3回目ということです。そのブームの中心をなしているのはビッグデータ解析とディープラーニングなどの機械学習技術です。ビッグデータの解析にはデータの数理モデルを適切に構築することが重要であり、これは物理統計学分野(分野は研究室のことです)の研究テーマのひとつとなっています。できあがった数理モデルは数百万の変数をもつ数式で表されることがあります。そのような大規模な数式を、安定かつ高速に解析する技術を開発しているのが数理解析分野です。高度な知能(精度の高い予測)を達成するためにはディープラーニングなどの機械学習技術が用いられます。そこでは精度の高い、つまり、最適な答えが要求されます。その最適化手法を開発しているのが最適化数理分野です。

動運転技術は、渋滞や交通事故の減少、エネルギーの効率化など、社会に大きな変革をもたらします。その基盤となるのは制御理論であり、その先端の研究しているのが制御システム論分野です。自動運転の対象となる自動車やドローンは物理法則に従う現実世界に存在します。そのため、自動運転の数理モデルを構築する上で力学の知識が欠かせません。その高度な力学系を研究しているのが力学系数理分野です。個々の自動車の自動運転技術とともに、それぞれが繋がったネットワークや交通網を考えることによって、最適な交通制御やサービスが可能になります。そこで中心的な役割を果たすのがグラフ理論であり、組合せ最適化です。それらの理論的な研究を行っているのが離散数理分野です。そしてこれらの技術を机上のものに終わらせず、実際に利活用することを研究しているのが日立製作所と連携している応用数理モデル分野になります。

のような最近注目の「人工知能」や「自動運転」だけでなく、社会の様々なところで、(新聞、TVには出てきませんが)数理工学が役立っています。数理工学の教員は正確な物言いを大切にして、あまり大風呂敷を広げません。(人工知能を研究しているとは口が裂けても言いません。) しかし一般の方々へのアピールは大切です。学生の皆さんは、是非、「すごい数理工学を研究している(研究したい)と胸をはって伝えてください。本専攻の卒業生が、数理工学を活用して社会に貢献してくれることを期待しています。



数理工学専攻長 山下信雄
(やました のぶお)


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京都市左京区吉田本町 京都大学大学院情報学研究科 数理工学専攻 専攻長宛
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Last-modified: 2017-03-31 (金) 18:41:16 (173d)