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*ごあいさつ [#a20ecc73]

**2013年度数理工学専攻 専攻長 梅野 健 [#j3060d7b]
**2023年度数理工学コース(大学院情報学研究科) コース長 梅野  健 [#j3060d7b]
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&size(23){4};月より中村佳正前専攻長の後任として、専攻長を務めさせていただくことになりました。
専攻長就任にあたり、簡単に挨拶ならびに抱負を述べさせていただきたいと思います。

&size(23){4};
月1日、情報学研究科の一専攻化のため数理工学専攻が情報学専攻の数理工学準専攻という組織単位になり、学生所属組織が数理工学コースとなりました。これは1998年京都大学に大学院情報学研究科が発足して以来の大きな組織変更です。
その5日前の3月27日、&size(23){文};化庁が東京から京都に移転(戻って?)きました。この中央省庁の移転も、明治維新以来の初めてのことです。これからは名実とともに文化の中心である京都で学ぶことができるのです。
これらの滅多にあることがない変化はほぼ同時に起きています。これらの変化が"いま"起きているのは何か意味があるのでしょうか?一専攻化とは組織の見通し(まとまり)をよくするというのが意図だと思います。ばらばらというよりは、より相互作用が生まれやすい協同現象が起きやすい組織にするという意図だと考えます。一方、京都は文化財の集積地です。ばらばらよりは集積。そこで何か新しいものが生まれるという地であります。


&br; これらの変化は一見全く関係のない偶然の一致の様に見えます。しかし数理(工学)を学ぶものは、&size(23){蛍};の点滅が同期して起こる様に自然現象には"引き込み"という協同現象があり、一見バラバラに動いていたものが相互に作用すると"同期"する(同じ変化をする)ことを知っています。この同期現象を通信に応用する研究もされています。またその同期現象が起こる数理的なメカニズムも解明しつつあります。多くの人があとからこの時のことを時代が変わる転機点であったと呼ぶかもしれませんが、我々はこの"偶然の一致"がもしかして"引き込み"という協同現象ではないかと"数理的想像"をたくましくし、さらにはその数理的メカニズムを解明し、それを工学だけでなく、(社会)システムや社会現象にも適用しようと考えているのです。我々は&size(23){自};由です。何ものにも束縛されません。数理の適用範囲は工学の特定分野に限定されないという普遍性が我々数理工学の強みです。

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今年の春も京都は多くの観光客で賑わっています。先日も共同研究者が来た時、東山三条あたりで宿泊すると最低でも一泊3万円を下らないと言っていました。&size(23){ダ};イナミックプライシングです。価格を変えることで需供の調整をするのです。ここにも数理が関わってきます。ダイナミックプライシングはホテルや飛行機などだけでなく、鉄道インフラなどより広い領域に使われ始めています。多くの人は高い、安いと感じるだけで設計する側も試行錯誤を繰り返している様に見えますが、数理工学の理論によって、この価格が最適値かどうかあるいは公正な価格であるか否かを評価することができる様になります。
諸行無常は不変の真実です。ただ、その数理工学の理論はその変化を傍観するだけでなく、変化の数理的意味や背景といったことを考えることができます。またこれらのデータに潜む特徴を可視化することもできます。皆さんと一緒に、数理工学の新しい可能性を切り拓いて行く、そしてそれが京都から世界に広がる。「夢なき者に理想なし, 理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」(吉田松陰)とも言います。ここではこの情報学研究科数理工学コース発足の日に一つの&size(23){夢};を披露させていただき、挨拶の代わりとさせていただきます。

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&size(23){大};学院教育は、仮に2年や5年間、大学院に行かずに社会で働いた時に得られる以上のもの、いや質的に異なるものを我々大学院が学生に提供できなければ、その存在基盤を失うこととなります。よく、リーダーシップ、真の問題解決能力は“現場”でこそ鍛えられると言います。その時の“現場”とは、企業の生産現場、海外支店での“現場”の声を意味していると思います。一方、英語では、日本語の“現場”に相当する言葉が無いという話を聞きます。
では、我々京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻の大学院教育は、これらの“現場”の代わりに何を学生に提供するのでしょうか?
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&size(23){我};々の教育は、研究室という国際的に通用する“現場”を中心に行われます。その研究室は、教授、准教授、講師、助教という国際的にみてもトップクラスの研究を行う教育者が直接論文執筆や研究発表を指導するだけでなく、それぞれ国際的な研究者ネットワークを持っていて、研究室に入ったとたんにそのネットワークに入り、セミナー等を通して日常的に議論する様になります。また国際的にトップクラスの大学から京都大学を志望し学習する留学生もいます。また大学だけではなく、世界的な企業と連携ユニットを構成し、企業の現場も経験できます。
また、京都大学にも、大学間協定に基づく様々な国際的な大学間連携や、数々の国際拠点を持ち、豊富な蔵書を持つ国内有数の図書館も利用できるというソフト的にもハード的にも恵まれた環境に、我々の現場=研究室は位置します。
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&size(23){我};々はこうした研究室という現場の提供を通して大学院教育を行ってきており、今年度(平成25年度)は、ちょうど昭和38年度数理工学専攻修士課程設置(博士課程設置は昭和40年度)から数えて半世紀の節目となります。その教育の特徴は、数理工学専攻の英語名のDepartment of Applied Mathematics and Physicsにあらわれており、全ての科学教育の基礎となる数学と物理の基礎をしっかりと教育しながら、数学や物理といった理学系の分野だけに閉じずに、工学のあらゆる分野、経済学、社会学や学際領域にも応用・展開が開かれていることにあります。また、我々は、学部卒の学生だけではなく、いったん就職した後に企業等に在籍しながら博士号を取得する社会人ドクターのコースも設けており、社会人の研究室参加も積極的に受け入れております。どの研究室も常にオープンで、それぞれ歴史はありますが未来志向です。数学や物理の基礎的な問題だけでなく、現在の様々な課題を解決したいと考えています。ぜひ、今後半世紀(2013年-2063年)の数理工学の新しい未来をいっしょに作っていきましょう。
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RIGHT:数理工学専攻長 [[梅野健:http://chaosken.amp.i.kyoto-u.ac.jp/personal_umenoken.html]]
RIGHT:令和5年度 数理工学コース長 [[梅野 健:http://www.amp.i.kyoto-u.ac.jp/]]
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RIGHT:&size(9){(うめの けん)};

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|BGCOLOR(#006666):COLOR(#FFFFFF):&size(12){お問い合わせ先:};|&size(12){〒606-8501}; &br; &size(12){京都市左京区吉田本町 京都大学大学院情報学研究科 数理工学専攻 専攻長宛};|
|~|&size(12){E-mail:};&mail(amp-senkocho@amp.i.kyoto-u.ac.jp);|
|BGCOLOR(#006666):COLOR(#FFFFFF):&size(12){お問い合わせ先:};|&size(12){〒606-8501}; &br; &size(12){京都市左京区吉田本町 京都大学大学院情報学研究科 数理工学コース長宛};|
|~|&size(12){E-mail:};&mail(amp_senko-cho@amp.i.kyoto-u.ac.jp);|

-過去のごあいさつ
--[[ごあいさつ(R4年度)]] 山下信雄
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--[[ごあいさつ(H29年度)]] 永持仁
--[[ごあいさつ(H28年度)]] 山下信雄
--[[ごあいさつ(H27年度)]] 矢ヶ崎一幸
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