卒業生の声
卒業生の方々から現在の仕事や数理工学専攻についての声をお寄せいただきました.
(50音順)
今村 誠さん
中村 泰之さん
現在私が所属している名古屋大学情報文化学部というところは、前身は教養部
で、京大の総合人間学部をイメージしていただければよろしいかと思います。
こちらでは、教授、助教授、助手からなる研究室という単位は明確でなく、講
座というグループはあるものの、各教官が独自に研究室を運営するのが主流で
す。ですから、大変自由な雰囲気がある一方、各教官の責任も大きくなり、
「自立した研究者」としてやっていくことが要求されます。「自立した研究者」
とは、「何が興味深くて、何が重要か、深く考えた上で研究テーマを自分で見
つけることができ、そのテーマに向かってプランを立てて実行する」ことので
きる研究者であるという意見をある先生から聞いたことがありますが、そのた
めの原点となるのが、多くの場合大学院時代ではないかと思いますし、少なく
とも私の場合はそうでした。
研究室での、指導していただいている先生との個人的な議論、ゼミでの先生、
学生との議論は卒業してからの宝となりますし、私もそうですが、職場で計算
機の管理などを任された場合、大学院時代での経験は失敗も含めて大変貴重で
す。そのような意味で、私も有意義な大学院時代をすごすことができたと実感
しております。宗像研究室にてお世話になった先生方、学生の皆さんにこの場
をおかりして感謝いたします。
なお、http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~nakamura/
に私のホームページを開設しております。まだまだ内容的には乏しいです
が、もしよろしかったら訪ねてみてください。
企業の情報技術の応用研究所にて,文書処理関係の研究・開発を行っています.
最近では,インターネットを利用した文書交換システムの研究・開発を担当し
ています.適用分野は,販売会社と工場間での仕様書交換の電子化や,行政と
民間企業間での申請の電子化などです. 数理在籍時は,双曲型偏微分方程式
の解の特異性の伝播の勉強をしておりました.企業に就職してから10年以上
になりますが,黒板に積分記号や不等号を書きながら,先生方や同僚の皆様を
前にして,論文や講義録を輪講していたころが懐かしく思い出されます.私の
場合は,大学で学んだ知識が直接に役立つことはほとんどなく,入社まもない
ころは,私の職場の大部分を占める情報工学出身者と比べて,実用スキルが不
足しているとの思いがありました.しかし,10年の年月がたってみると,す
ぐに役立つ知識の多くは,それほど寿命が長くないなという印象です. 就職
後と比較して,大学時代のメリットは,自由に使える時間が多いという点にあ
ると思います.学生時代をお過ごしの方は,情報過多で変化の激しい環境にお
いても常に自分なりの提案ができるよう,自分が拠り所とするものは何かをつ
かまれんことをお祈りいたします.私の場合は,自由な時間の貴重さに,それ
を失ってから気がついたのですが.....
1995年3月に卒業し、同じ年の4月から現在の職場に勤めておりますので、早
いものでもう4年になります。大学院時代はニューラルネットワークの理論解
析、コンピュータシミュレーションテーマとし、スピン系の統計力学との関連
で研究しておりました。