在学生の声
離散数理分野
最適化数理分野
制御システム論分野
物理統計学分野
力学系理論分野
砂川 秀明さん
梅谷俊治さん
私の研究テーマは「組合せ最適化に対する発見的解法」ですが, 研究者として
やっていくためには, 数理計画法等に基づく理論的なアプローチを身に付け,
より広範な視点から問題に取り組む必要があるのではないかと思い, 本専攻へ
の進学を志しました.
初めて茨木先生の所に伺ったのは4月始めで, 5月頃に茨木研の学生の方に頂
いた過去問(博士課程の過去問はないので, 修士課程のものを用いました)を片
手に研究の合間をぬって筆記試験の勉強を始めました.
筆記試験では, 物理系科目が苦手だったこともあって, 数理計画, グラフ理論,
論理回路, 自動制御, 応用数学を選択しました.
自動制御と応用数学は専門外でしたが, これは茨木研の学生の方に教科書や講
義ノートをお借りして, 勉強に取り組みました.
実際の試験では, 得意科目の数理計画, グラフ理論, 論理回路を満点取るつも
りで, 専門外の自動制御, 応用数学は5割取るつもりで臨みました.
口頭試問では, これまでの研究成果を中心に発表しました.
自分の場合はかなり研究が進んでいたのですが, 先生方の質疑は厳しく, 受け
答えに苦労したのを覚えています.
学外から受験する場合は, 希望配属先の研究室の先生や学生の方に早め早めに
アプローチして, いろいろな情報を集める事が肝心だと思います.
特に, 研究内容を詳細に聞くことは勿論ですが, 自分が何を研究したいのか,
それに対して適切な指導が受けられるか, を十分に先生と話し合うことが大事
です. (ここで, きちんと話ができているかどうかで, 入学後の研究進度が格
段に変わると思います)
茨木研は先生方, 学生の皆さんいずれも良い方ばかりで, 1ヶ月もしないうち
に研究室に馴染むことができました.
(特に学外から来られた方は, 毎日研究室に顔を出す事をお勧めします)
こちらに来て研究に関して感じたことでは, まず, ゼミの時間が多く内容も充
実している点が挙げられます.
また, 学会発表等も多く, 関連分野の様々な研究者の方々と議論を交す事で,
常に最新の研究に触れられる点がすばらしいと思います.
本専攻の受験と入学してからを振り返ってみますと, 阪大でそのまま進学して
いれば, 筆記試験にあくせくする事もなく, 研究テーマを変えることもなく,
もっと楽に学位を取ることができたかも知れないな, と時々思うことがありま
す.
しかし, 将来に渡って自分が研究者としてやっていくための素養を身につける
事を考えた上で, 本専攻への進学を選んだのは間違いではないと深く実感して
います.
豊田 淳平さん
僕はゲーム理論を用いて、スポーツや
社会経済的活動を解析したいと思っていましたが、農学研究科では
理論を農業にしか応用できないので、農学研究科に対して限界を感じ
ていました。そこで、その年の前期に数理工学専攻の福嶋先生の授業
を聞きに行った際にいろいろ相談し、ゲーム理論の研究も自由にでき
るということで、ここ茨木研究室を目指すことにしました。
院試の勉強は6月の終りごろから始めました。力学や確率などは院試
用の市販の問題集を使う一方、茨木研の先輩から借りた院試の過去問
題も使って勉強しました。
実際に試験を受けて感じたことは、特に選択問題について、学部時代
の講義ノートや院試の過去問題を使って勉強しなかったら、得点が大
きく落ちるということです。僕は例えば確率について、講義ノートを
研究室の学生から借りず、問題集しかやっていなかったので、試験で
は完全にヤマをはずされました。違う学部や大学から受験しようと思
っている人は、進んで講義ノートや過去問題を研究室の学生から入手
するようにして下さい。試験問題を見ると非常に難しそうに見えます
が、情報さえしっかりと得ていたら、十分に合格できると思います。
研究室に入った時の印象として、先生方や学生さんたちは皆さん優し
くて雰囲気が良かったので、ラッキーだと思いました。ゼミや研究会
は比較的多いですが、一部の研究室にあるように、学生が先生の仕事
の雑用をさせられることもなく、自由に研究生活が送れます。
藤澤 泰弘さん
(修士課程2回生,姫路工業大学機械知能工学科卒,離散数理分野)
理系の科目を学んでいると,どの教科書にも数式がでてくることから,逆に数
式がわかればどの科目にも対応できると思い数理工学の受験を思い立ちました.
その際に理学部の数学科を選ばなかったのは,実践的な数学により興味を感じ
たためです.
私は機械系の学生だったため,受験した科目の半分はゼロからのスタートでし
た.研究室の皆さんに相談し難易度や傾向などを聞いたうえで受験科目を選び,
教科書や講義ノートをお借りして, 勉強に取り組みました.とにかく全て満点
をとるつもりで勉強をしました.しかし,気持ちとは裏腹に勉強は思うように
すすみませんでした.そんな時は気分転換をしていましたが,今思えば気分転
換ばかりしていた気がします.とにかく考えてもわからないところは研究室の
人にメールなどで質問して解決するようにしました.今思えば研究室の皆さん
の助けなくしては合格しなかったように思います.ちなみに実際の試験は満点
からはほど遠い出来で確実に不合格だと思っていました.そのため面接をかな
り開き直った気持ちで受けていたのを覚えています.
私の場合は以下のように情報収集をしました.
とにかく研究室の雰囲気は最高に良いと思いました.茨木研ではゼミが多く質
問も活発なので,勉強をするのには良い環境があります.また勉強だけでなく,
スポーツにも積極的でソフトボール大会の前には京都御所のグランドに集まっ
て練習をするのには驚きました.とにかく,すべてにおいて学生が自主性を持っ
てやっており,やる気の溢れる良い研究室だと思いました.
宮本直美さん
まず、数理工学についてですが、数理工学では、あらゆる現象を数理的に解析
することを主目的としています。そのため、数理工学で取り扱われている理論
は物事の根底に位置し、その適応分野は幅広くて流行り廃りのない学問分野だ
と思います。中でも、最適化数理は、物事を効率よく、円滑に運用するに当たっ
て必要不可欠な理論であり、日常的に様々な所で適用されています。
福島研究室では、最適化数理の理論(最適化の理論及び待ち行列理論)を勉強
し、その理論の発展を追求すると共に、個人個人が自分の興味を持った方面に
その理論を適用しています。その適用分野として実際に研究対象となっている
ものとしては、例えば、ファイナンス関係、通信ネットワーク関係、ニューラ
ルネット等が挙げられます。福島研究室では、各個人が自分達のペースで研究
を行い、ゼミを通じて、基本的な最適化数理理論を学びます。また、週に一度
の研究報告会では、色々な適用事例を知ることができ、非常に勉強になります。
非常に堅苦しいことばかり書いてしまいましたが、研究室内は和気藹々として
いて、楽しい雰囲気で、そして何よりも、優しく暖かい先生方と先輩方に囲ま
れた、とっても居心地のいい研究室です。
宮本清正さん
とにかく数学を勉強したい一心で、数学科に入学したが、4回生時に行った就
職活動で企業等の求人が工学系よりも少なく、不利であることがわかりました。
それ故、大学院では僕の得意な工学系の応用数学を生かせる研究科に進もうと
思い、なおかつ授業料が安く自宅通学可能な国立の大学院ということで、京大
の数理工学専攻を受験することに決めました。
2回生の夏から、「大学院入試問題(数学偏)I,II」を購入して独学していまし
た。この頃は、まだ志望大学院は決めてなかったのですが数理工学専攻を受験
しようと思った3回生の秋にはホームページから、過去問を4年分 ダウンロード
して解き始めました。未習分野に関しては、大学の図書館にある参考書を見た
りしましたが独学には限界がありました。
入学当初は、誰も知り合いがない状態であり、かつ広いキャンパスのため、建
物の場所を探すのに苦労したりと、カルチャーショックに陥っていました。し
かし、アットホームな片山研究室の皆さんと仲良くなることが出来て、正直な
ところホッとしました。
鈴木大助さん
一番大切なのは自分の希望する分野の研究がこの研究室でできるか?というこ
とですが、それは研究内容のページ
を見て下さい。方向性さえ合えば、希望は最大限尊重されます。やりたく
ないことをやらされるということは皆無です。
次に研究室の雰囲気ですが、すごく自由で開放的です。一度、お茶でも飲みに
来てください。先生方はざっくばらんで打ち解けやすいですし、院生も肩肘張
らない人ばかりです。あと、時間の面でも自由です。研究室行事のページ
を見て頂くとわかるとおり、ゼミや研究会などが週2、3回あって、それ
以外は研究室の 計算機を存分につかって自分の好きな研究をすることができ
ますし、他のこともできます。
さて、いざ行こう!と決めたときに気になるのは試験の事だと思います。外部
には不利なんじゃないか?と結構僕は心配したものです。とりあえず過去問は
事務室などでもコピーをもらえるそうです。また、
ホームページからも取得できます。僕は見学も兼ねて直接研究室にもらい
にいきました。科目選択がありますが、僕の場合で言うと、フーリエ変換、ラ
プラス変換、関数論、ランダムウォーク、解析力学などを過去問にあわせて勉
強しておけば大丈夫でした。内部向けの科目(制御工学とか数理計画?)のほ
うが点がとりやすいなどと聞いて不安でしたが、そんなに心配しなくてもよかっ
たみたいです。
外部からの人間がうちの研究室には結構います。ご安心ください。
小川 英輝さん
私は、学部当時は物性物理学実験に取り組んでいましたが、元々、非平衡統計
力学に興味があり、この研究室を志望しました。学部とまったく違う分野です
が、やる気さえあれば何とでもなります。
学部で主に物理をやっているようであれば、解析力学と統計熱力学の基礎を理
解していれば十分だと思います。また数学に関しては、線形代数、フーリエ,
ラプラス変換、函数論を勉強すれば問題ないと思います。
宗像研究室は、まさに自由です。自分のやりたいことを存分にやる環境と時間
が十分にあると思います。とくに大学院生活を研究に捧げたい方にこの研究室
はピッタリで、充実した研究生活を送ることが出来るでしょう。そうでない方
も、活躍の場が多くあります。数理工学専攻の歴史と情報学研究科の新しさが
融合する宗像研で一 緒に切磋琢磨したいというあなたを待っています。
私はこの春(99年)、工学部情報学科数理工学コースを
卒業して、数理工学専攻に入学しました。そして現在、
多羅間先生の指導の下、偏微分方程式を学んでいます。
「応用数学」という名称のため、ややもすると既知の理論を
応用する所だと思われがちですが、実際におこなっている
研究内容は、理学部、理学研究科の数学系の研究室と大差は
ありません。一方講義では、流体力学や非平衡系統計力学等、
他では接することの少ない話も聞くことが出来て、大変
よい勉強になります。また、入試については、以前は論理
回路やOR、制御等も入試科目に課されていましたが、私の
受けた年から科目が大幅に変わり、数学と物理と英語だけ
でも受験することが出来るようになっています。
研究室はやはり人と人との交流の場でもあるので,遠方から受験される方も一
度は研究室を訪問してみてその雰囲気に触れてみるのが良いと思います.
・インターネットのページから研究室全体の概要を調べる.
(この画面を見てるということは,すでに調べている段階だと思います)
・希望する研究室の先生にメールをだし研究室訪問の約束をする.
・研究内容の詳細と自分の希望する研究ができるかどうかを先生に直接確認する.
(その際に質問したいことを前もってメモしておくと良いと思います)
・研究室の学生を紹介してもらい,試験に関する情報を集める.
(これは独り善がりの勉強に陥らないためにも重要だと思います)
また,その際に研究室の雰囲気なども自分に合うかどうかを確認する.
数理工学専攻に在籍していると、よく「一体それでどのような“モノ”が作れ
るのか」とか、「どのような所で役に立つのか」といった質問を受けます。私
が数理工学専攻を専攻した当初は、そのような質問にどう返答すればいいのか
わからず、当惑していました。それもその筈、私が数理工学専攻を専攻した理
由はいたって適当なもので、何か特別な分野に興味を持ったため、というより
は、ただ学生のうちに論理的な思考を養っておきたいと思ったからでした。し
かし、やっと最近になって数理工学について自分の意見を主張できるようにな
りましたので、以下に、私の知る限りにおいて数理工学とはどのようなものか、
また、いま在籍している最適化数理講座について少し語ってみたいと思います。
外部からこの研究室を希望する皆さんにとって気になること、というか、外部
の人間であった自分がこの研究室を希望する際気になったことについて書きま
す。