I. 生命と情報通信概論 9月17日(水)
パスカルの「パンセ」を引用しながら自然と社会の階層性について、また、ダーウィンの進化論に基づいて、生命38億年の流れにおける科学技術の発達の歴史を振り返りながら、現代において研究すべき諸課題について述べる。例として、脳科学の成果の実世界への応用、一般相対性理論のGPSへの応用等を挙げ、科学と情報通信技術(ICT)との深い関係についての大局的な理解を深める。
II. 進化と情報 9月18日(木)
自然選択と適者生存に基づくダーウィンの進化論と性選択モデル、進化系統樹と分子時計、大野乾の遺伝子重複説、古澤満の不均衡進化論などについての概要を述べ、これらをヒントに情報処理モデルを構築するための前提知識を得る。そして、これらの知見を情報処理モデルへ適用する方法について、種々の例を挙げながら述べる。
III. 複雑ネットワークと未来の情報通信 9月19日(金)
自然界や社会のあらゆる場面で登場する「複雑系ネットワーク」とは何かについて述べ、複雑ネットワークの定義と指標、スモール・ワールド、スケール・フリーネットワークを初めとする、様々な複雑ネットワークの特徴と実世界における応用可能性について言及する。これまでの自然界・生命界と情報通信技術との深いつながりを理解した上で、未来の情報通信社会のあるべき姿を描く。.