在学生の声
梅谷俊治さん(博士2回生,大阪大修士卒,離散数理分野)
豊田淳平さん(修士2回生,離散数理分野)
宮本清正さん(修士1回生,立命館大卒,制御システム論分野)
富田泰之さん(修士2回生,制御システム論分野)
私はこの春(99年)、工学部情報学科数理工学コースを
卒業して、数理工学専攻に入学しました。そして現在、
多羅間先生の指導の下、偏微分方程式を学んでいます。
「応用数学」という名称のため、ややもすると既知の理論を
応用する所だと思われがちですが、実際におこなっている
研究内容は、理学部、理学研究科の数学系の研究室と大差は
ありません。一方講義では、流体力学や非平衡系統計力学等、
他では接することの少ない話も聞くことが出来て、大変
よい勉強になります。また、入試については、以前は論理
回路やOR、制御等も入試科目に課されていましたが、私の
受けた年から科目が大幅に変わり、数学と物理と英語だけ
でも受験することが出来るようになっています。
私の研究テーマは「組合せ最適化に対する発見的解法」ですが, 研究者として
やっていくためには, 数理計画法等に基づく理論的なアプローチを身に付け,
より広範な視点から問題に取り組む必要があるのではないかと思い, 本専攻へ
の進学を志しました.
初めて茨木先生の所に伺ったのは4月始めで, 5月頃に茨木研の学生の方に頂
いた過去問(博士課程の過去問はないので, 修士課程のものを用いました)を片
手に研究の合間をぬって筆記試験の勉強を始めました.
筆記試験では, 物理系科目が苦手だったこともあって, 数理計画, グラフ理論,
論理回路, 自動制御, 応用数学を選択しました.
自動制御と応用数学は専門外でしたが, これは茨木研の学生の方に教科書や講
義ノートをお借りして, 勉強に取り組みました.
実際の試験では, 得意科目の数理計画, グラフ理論, 論理回路を満点取るつも
りで, 専門外の自動制御, 応用数学は5割取るつもりで臨みました.
口頭試問では, これまでの研究成果を中心に発表しました.
自分の場合はかなり研究が進んでいたのですが, 先生方の質疑は厳しく, 受け
答えに苦労したのを覚えています.
学外から受験する場合は, 希望配属先の研究室の先生や学生の方に早め早めに
アプローチして, いろいろな情報を集める事が肝心だと思います.
特に, 研究内容を詳細に聞くことは勿論ですが, 自分が何を研究したいのか,
それに対して適切な指導が受けられるか, を十分に先生と話し合うことが大事
です. (ここで, きちんと話ができているかどうかで, 入学後の研究進度が格
段に変わると思います)
茨木研は先生方, 学生の皆さんいずれも良い方ばかりで, 1ヶ月もしないうち
に研究室に馴染むことができました.
(特に学外から来られた方は, 毎日研究室に顔を出す事をお勧めします)
こちらに来て研究に関して感じたことでは, まず, ゼミの時間が多く内容も充
実している点が挙げられます.
また, 学会発表等も多く, 関連分野の様々な研究者の方々と議論を交す事で,
常に最新の研究に触れられる点がすばらしいと思います.
本専攻の受験と入学してからを振り返ってみますと, 阪大でそのまま進学して
いれば, 筆記試験にあくせくする事もなく, 研究テーマを変えることもなく,
もっと楽に学位を取ることができたかも知れないな, と時々思うことがありま
す.
しかし, 将来に渡って自分が研究者としてやっていくための素養を身につける
事を考えた上で, 本専攻への進学を選んだのは間違いではないと深く実感して
います.
僕はゲーム理論を用いて、スポーツや
社会経済的活動を解析したいと思っていましたが、農学研究科では
理論を農業にしか応用できないので、農学研究科に対して限界を感じ
ていました。そこで、その年の前期に数理工学専攻の福嶋先生の授業
を聞きに行った際にいろいろ相談し、ゲーム理論の研究も自由にでき
るということで、ここ茨木研究室を目指すことにしました。
院試の勉強は6月の終りごろから始めました。力学や確率などは院試
用の市販の問題集を使う一方、茨木研の先輩から借りた院試の過去問
題も使って勉強しました。
実際に試験を受けて感じたことは、特に選択問題について、学部時代
の講義ノートや院試の過去問題を使って勉強しなかったら、得点が大
きく落ちるということです。僕は例えば確率について、講義ノートを
研究室の学生から借りず、問題集しかやっていなかったので、試験で
は完全にヤマをはずされました。違う学部や大学から受験しようと思
っている人は、進んで講義ノートや過去問題を研究室の学生から入手
するようにして下さい。試験問題を見ると非常に難しそうに見えます
が、情報さえしっかりと得ていたら、十分に合格できると思います。
研究室に入った時の印象として、先生方や学生さんたちは皆さん優し
くて雰囲気が良かったので、ラッキーだと思いました。ゼミや研究会
は比較的多いですが、一部の研究室にあるように、学生が先生の仕事
の雑用をさせられることもなく、自由に研究生活が送れます。
数理工学専攻の授業では,数学・力学・OR・制御などの,
工学の基礎となる理論に触れることができます.
多彩な授業の中には自分の研究と関係の薄いものもありますが,
工学の広い分野に応用されている理論をカバーできるので,
ジャンルにとらわれない全方位的な知識が身につきます.
一方,研究は研究室ごとにかなり異なった内容となっていますが,
どの研究室もそれぞれの取り組む理論の先端的な研究を行なっています.
例えば,私の研究室(片山研)では制御理論の研究に取り組んでいます.
週に1回研究会があり,1回の研究会につき1人の学生が,
自分の研究成果を発表しています.
みなさんそれぞれ充実した研究生活を送っています.
★数理工学専攻に入って良かったこと
M2になって気づくことですが,数理工学専攻には実に多くの求人があります.
無論,時世が時世だけに易々と就職が決まるわけではありませんが,
非常に広範囲の企業から期待されているという手応えがあります.
また,数理の多くの研究室はコンピュータの環境が充実しており,
自身の研究の他に,コンピュータやネットワークの知識を身につけたり,
システム管理を経験することもできます.
★研究室の世間話
私の所属する片山研は,基本的にアットホームな研究室で,
よくある「体育会系」研究室ではありません.
(以前はそういうノリもあったそうですが…)
研究室のお楽しみとしては,片山先生宅に伺ってのバーベキューや,
研究室旅行(出先で恐いお兄さんに凄まれたり)などなど.
また,私のいる部屋には遠い先輩が残されたと思しきギターがあり,
研究の合間にポロリロ弾いたりしています.
砂川 秀明さん
梅谷俊治さん
豊田 淳平さん
宮本清正さん
とにかく数学を勉強したい一心で、数学科に入学したが、4回生時に行った就
職活動で企業等の求人が工学系よりも少なく、不利であることがわかりました。
それ故、大学院では僕の得意な工学系の応用数学を生かせる研究科に進もうと
思い、なおかつ授業料が安く自宅通学可能な国立の大学院ということで、京大
の数理工学専攻を受験することに決めました。
2回生の夏から、「大学院入試問題(数学偏)I,II」を購入して独学していまし
た。この頃は、まだ志望大学院は決めてなかったのですが数理工学専攻を受験
しようと思った3回生の秋にはホームページから、過去問を4年分 ダウンロード
して解き始めました。未習分野に関しては、大学の図書館にある参考書を見た
りしましたが独学には限界がありました。
入学当初は、誰も知り合いがない状態であり、かつ広いキャンパスのため、建
物の場所を探すのに苦労したりと、カルチャーショックに陥っていました。し
かし、アットホームな片山研究室の皆さんと仲良くなることが出来て、正直な
ところホッとしました。
富田泰之さん
★大学院の授業・研究について
朝比奈寛子さん
私が大学院進学を決めたのは、4回生になって就職(広くは将来のこと)を意識し
はじめたときです。別に、後ろ向きな考えで院への進学を考えたのではなく、”自
分は何に向いているのか”と悩み、大学院に進んで何か
つかめられればいいと思ったからです。今は自分自身についてじっくり考えられて
よかったと思っています。進学を決めてから、試験に向けて勉強しました。試験の
対策は、事務所で配られている過去問を中心で、あと3回生までで習った授業の復習
をしました。研究室の雰囲気は、配属されたときのそのままの雰囲気でとても居心
地がいいです。実は研究室紹介のときに唯一、何をやっているところなのか理解で
きたところという簡単な理由で選んでしまったのですが、それがかえってよかった
と思います。
鈴木久司さん
私は、京都産業大学 理学部 数学科 から情報学研究科に入学しました。
私が大学院への進学を考えはじめたころ、京都大学のホームページを
のぞいていたら数理工学のホームページにたどり着き、そこではじめて
岩井先生の研究室を知りました。(ねこの宙返りなどなど・・・)
つねづね、数理物理学に興味がありましたので受験することにしました。
大学院入試に関しては、数理工学のホームページに過去問が掲載されてたので
それを参考に勉強しました。
もちろん、工学系の教科も試験には出てきましたが、数学と英語で受験可能
だったのが幸いしました。
こちらに入学しての感想は、数理工学は他研究科に比べて比較的自由度
があると思いました。
しかし、授業や試験があることには少々驚きましたけど・・・